2010年10月10日日曜日

ついに修了・・・そして・・・



10月2日(土)に無事に修了式を終えて、経営学修士(MBA)を頂くことが出来た。
2年間、正直きつかったけど、妥協せずにやり切れたことがまず何よりも良かった。毎週のケーススタディーに全科目履修と追い込んだので、後悔はない。もう一回やれ、と言われてもちょっと嫌だな・・・。

きつかったけど、辛くはなかった。同じことの繰り返しもあったけど、楽しかった。
新しい知識が増える、新しい考え方が身に付く、それを用い議論する、見ず知らずの人と知り合いになる、所縁もない業界に触れる・・・など、最初はその居心地の悪さと言ったら、言い表せないけど、3日と真面目に向き合っていると違和感が無くなって、楽しくなる。
毎週のケーススタディーでは、新聞記者になったり、総理大臣になったり、はたまた外国の大統領や首相になったり、と、なりきって(なったフリして)色々考えて、最終回答を出した。計90回以上あったようで、少なくとも70回は真面目に取り組んだ。

マーケティングの手法、財務、会計、組織、アントレプレナー、ロジカルシンキング、CSR、ブランディング、ガバナンス、企業再生、経済学、金融論、リーダーシップ、、、などなど所謂The MBAのようなものを学んできたが、結局何が身についたのか?というと、たぶんこうだろう。

「2、3個ある本質的問題点を見つけ、短時間でそれらを纏め上げ、提案出来るようになった(その術を知った)」


BBTでは、フレームワークとか、コトラー、ドラッカーとか、既存のケーススタディーとかはほとんどやっていなくって、(いちお、マーケティングのSWOT、3C、4P、バリューチェーンとかは嫌でも知ったけど)、マッキンゼー流のPSA(Problem solving approach:問題解決手法)を徹底的に実践していただけのように思える。だから、正直、コトラーもドラッカーも知らない。一つのケースから沢山のことを学んだ経験もない。これと言ったフレームワークも知らない。
これでMBAなのか?と言われれば「?」(はてなマーク)であるが、それでも、上に書いたようなことは出来るようになったので、これでいいのだろう。

修了してMBAを取得して思うことは、「MBA取得は何の意味もない」ということだ。結局、上記のことが身に着いたが、大切な“実行力”というものはMBAでは身に付かない。現場に足を運んで情報を集める、分析する、魅力的なプレゼンテーションを行う、ということは出来ても、その先の実社会で人を巻き込んで動かし、結果を出す、ということは出来ないからだ。

MBAというものは、「あなたはこれからビジネスの世界で、本当にビジネスしても良いですよ。」と言われたに過ぎないと思えてくる。実際に在学中にも、入学前にも“資格”でも何でもないから、持っていることに意味はない、とは聞いていたが、取ってみて改めてその意味が分かる。


MBAで学んだことは常に使い続けて行かないといけないと思う。油断しているとあっと言う間に忘れてしまい、錆ついてしまう。今の仕事で使わないから、いつか起業した時に、自分があるポストに就いた時に、、として触れていないと役に立たなくなる。MBA取得後、起業したり、経営に関わる業務に転職する人が多いが、その気持ちはよく分かる。使わないのはもったいない。

恐らくであるがMBA取得後から5年間程度の間、仕事などを利用して、この2年間で学んだことを自分のものにする、血となり肉となり、生活習慣にする、という“刷り込み作業”がとても重要になるだろう。
だから、MBAで学んだことが生きるも死ぬも、これからの行動いかんであるように思う。

今29歳で、入社から始まったMRとして営業職は6年目に突入している。これからずっとこの職を行うつもりはないが、現在の会社に留まるのであれば、否応なしに現職がこれから1年は続く。幸いにして現職は自分の好き勝手に企画~実行まで行うことが出来る。財務関連は全くをもって関わらないが、自分で勝手に固定費や変動費、そして大まかなCF等を仮定してシュミレーションしてしまえば、勉強できないことはない。もちろん経営企画、新設部署、海外など誰も行ったことにない、はたまた余り先輩のいないアジアなどの国々、やったことのない仕事などが希望しているが、人事は“ひとごと”、思うようには行かない。
新たな仕事を探す手もあるが、どの道これから5年程度はMBAで学んだことを自分のものにする“作業”の時間であることには変わりはない。仕事によって身に付くスピードや量などには差があるかもしれないが基本的に何でも良いということになる。

5年後で34歳。これが若いか若くないかは分からない。
ただハッキリしていることとは、大学時代、ラグビーしかせず、経営などには全くの皆無(強いて言うなら組織論ぐらいは「根性論」として知っているか)で、経営の“け”の字もしらない人間が何も知らずに社会人となり、5年たって気がつけばMBAを取得している。過去の流れを見れば、34歳でMBAで学んだものを実戦で身につけているとしたら、それは十分過ぎるのではないか、ということだ。

楽天の三木谷浩史もHBS卒業後2年間は興銀で働き、31歳で起業(32歳で楽天設立)。DeNAの南場智子もHBSを卒業後、大前さんにもう一度呼ばれてマッキンゼーに戻り9年間働いてから起業している。
やはり、卒業後の数年間(自分は5年くらいかと思っているが)の“刷り込み作業”が重要であろう。

これからは、その刷り込み作業の時間として、腐らずに、もちろんアンテナ高く、希望が叶うなら喜んで異動!転職!を目指しつつも、この作業を意識して行きたい。

一方、“MBAホルダー”という役に立たない肩書きが付くから、それによって外部から求められるものが否応なしに高くなるだろうし、自分自身からも高いものを求めてしまう。だから今まで以上に結果が出ないと、自分で自分の首を絞めるリスクも背負っていることを忘れてはならない。
恐らく、精神面も大きく鍛えられるんではないか。


自分の将来がどうなっているのか、楽しみである。