2009年9月1日火曜日

『ザ・プロフェッショナル』

これで大前研一の著作は何冊目だろうか。2年次の「現代の経営戦略」という科目の参考図書になっている『ザ・プロフェッショナル』著:大前研一(2005年)を読んだ。

2008年以降の著作6冊を読んでいた為、重複する部分もあるけれど2005年はBBT大学院大学が開校した年でもあるので、全般的には人材育成・教育というメッセージが強いと感じた。純粋にプロフェッショナルを育てたいという思いからの著作なのだと思う。

プロフェッショナルには、「先見する力」(昨今の環境の変化は著しく見えない大陸に突入している。それ故、物事のKFS(Key Factor For Success)を見抜いて実行することが大切である)や、「構想する力」(先見力だけでなく、将来のなるべきイメージを描けるか。これがなければ事業は成功しない)が必要で、更に「議論する力」(理性でなくロジカルに考え、ロジカルに議論すること。また感情的にならずロジカルに応えさせる為の質問力を身につけるとか)が大切であるとのこと。

こうなる為には常に「自分が○○だったらどうするか?」ということをロジカルに考える”癖”を身につけておくことが大切で、そうすれば、いざ自分がしかるべき立場でしかるべき判断をするときにブレない判断が出来るだろうと。
このことは、毎週のケーススタディーで行っている内容であるので、説得力があった。確かにロジカルシンキングは少しづつ出来るようになったと思う。

今回は更に「矛盾に適応する力」が印象深かった(もしかしたら最終章なのでハロー効果かも知れないけれど)。たとえば、右脳と左脳。これは両方使いこなさないとプロフェッショナルではないようだ。IQが高い人と通常の人の右脳と左脳の使い方を見ると、通常の人は、数字を見せても、絵を見せてもほぼ左脳を使っているみたい。一方、IQが高い人は、絵を見せると右脳を使っている。ロジカルに考えることは大切であるが、事業を行う上で判断するときは、一辺倒にはいかない。ロジカルに考えても辻褄が合わないことがある。そういうときには、「えぃっ!」と直観力を働かせて右脳の判断を仰がないといけない。また解決案の幅を広げるときはブレーンストーミングなどのように自由度を高めないといけない。この時も右脳が役に立つ、名経営者と言われる人はこの直観力や右脳の使い方に最後は頼っているみたいだ。
ただ、あくまでも思考はロジカルに考えて、考えつくした結果、判断は直感で!ということである。左脳だけ働かして、ロジカルシンキングをしても意味がないし、コンピューターには勝てないと言うことにもなりそう。
効果的に相互に使い分けて鍛えるしかないようだ。その為には、問題解決をし続けるしかないみたい。ロジカルに考えて、解決案を出すときは右脳を用いて解決案の自由度を広げる。そこからまた左脳に戻してロジカルに妥当な案を絞っていく。決定した事項に対してやる気のない人を動かす必要もあるので、その時は再び右脳型になって情熱的に話し、人を動かす。こういったプロセスを繰り返し、繰り返し実践することで養うしかないとのこと。

ん~、大変!
が、出来るようになったら面白くて仕方ないとも思う。

これは一定の経験が必要になるけれど、これは思考の問題だから、年齢と言う概念は関係ない。老若男女問わず、こういった思考を繰り返しトレーニングしているか?という話。もしかしたら、こういうものを身につけている若い人達が今後は沢山出てくるかもしれないし、海外では恐らくこういった思考を持ち合わせた若い人達がいるんだろうと思う。うかうかしていられないね。
中々刺激的な話でした。

毎週のケーススタディーで思考を鍛えて、普段の仕事で熱っぽく話す練習でもしてみようかな。「いいじゃないですか!?」みたいな感じ?

なんだか取り留めのない感想文になってしまった・・・。

2 件のコメント:

tomokolea さんのコメント...

「ザ・プロフェッショナル」いいよね~
久々に読み直そうかな。

mushimaru さんのコメント...

珍しく文章が「ですます調」でいつもと違う感じだったけど、深い内容だよね。プロってこういうことを言うんだろうね。
NHKの仕事の流儀にも出演したらいいのに(笑)