2010年5月13日木曜日

ケーススタディー(セイコーHD)

先週のケーススタディー。
議論は途中から参加だったけど、週終わりから集中できたので結構面白かった。
今回は、如何に撤退するか、創業家が身を引くか、という点がポイントのようだった。

ただ重大な情報を今回は漏らしていた…。エプソンがセイコーのグループとは知りませんでした。

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【課題】
あなたがセイコーHDの服部真二新社長とすれば、セイコーグループの前代未聞の醜聞と業績悪化いかに払拭するか?

【回答】
これ以上の醜聞のイメージに囚われ泥沼にハマる前に、綺麗に経営陣や企業体制を一掃し、自らはその繋ぎ社長として組織改革に取り組む。
以下を3年程度で進めたい。

①創業家の服部礼次郎名誉会長の勇退
②事業再編
 -HD制を廃止して、ウォッチとクロックのみの事業に集約
 -プレジション事業、眼鏡事業は売却(撤退)
 -和光の銀座ビルを売却し、資金を特化する事業へ集約
③自らを含めた大半の取締役を辞めさせ、新しい経営陣を迎え入れ再出発する。

【理由】
セイコーHDの問題は一族経営かつ創業家の礼次郎名誉会長の存在によりもの言う社員が誰もいないことから始まるガバナンスのなさと考えられる。これらにより、ここ2~3年で取締役の解任や不当な降格人事が行われ経営は混乱し、2009年3月期に営業利益が35億円の赤字に転落した(売上:1740億円)。
業績悪化の責任を取り野村晃一前会長兼社長が辞任(平取に降格)し、副社長であった服部真二氏が昇格したが、ガバナンスやカルチャーは核となる人間が変わっていない為何も変わらないと考えられる。
よって、その象徴となる創業家の服部礼次郎名誉会長の勇退を行う。

次に、セイコーは複数事業によるホールディングカンパニー制を取っているが、まったくシナジーが果たせているようには見えず、ウォッチ事業(全体の50%)を除くとほとんどが万年赤字である。よって、これらはお荷物に近く、かつ存続させてもガバナンス改革の足かせとなる可能性も高い為、売却等を行い撤退する。

そして、和光に関しては銀座の一等地で宝飾等中心に百貨店のように構えているが、現在銀座周辺の百貨店は軒並み収益が悪化し向上の兆しはない。このまま保有し既存事業を行ったり、またはテナントとして賃貸等を行っても息詰まるのは目に見えている。
銀座の象徴的なシンボルである和光であるが、売却を検討し得た収入により従来から持つ有利子負債の返済や、新規事業への資金に回すこととする。

これらが完了した後、自らを含めた大半の取締役と共にセイコーから去り、新しい経営陣と共にHD制を廃止したセイコー株式会社としてウォッチ事業を中心とした創業当時の形に戻り再出発をする。

これらの為の繋ぎ社長として改革に乗り出す。

【参考】
http://www.seiko.co.jp/ir/financial/hilight.php
http://www.seiko.co.jp/ir/financial/hilight.php
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【大前解説】
・セイコーは服部家の創業家がグループを支配している。
 -セイコーHD、セイコーインスツル、そして独立しているセイコーエプソン(HDが3%強資本を入れている)
・セイコーエプソンのみが時価総額も高く、HDはグループの中では小さい。
・腕時計が売上の大半で、不動産関係が赤字の大きな要因
・和光は銀座の一等地にあるが、経営は万年赤字。
 -和光の為の銀座地区の不動産購入が、全体の経営を圧迫している。
・創業家(服部家)をめぐる騒動が色々あり、ガバナンス崩壊
 -純一氏(一族)がインスツルの会長兼社長に就任
 -純一氏が株主総会で会長兼社長を解任
 -礼次郎氏が不動産を購入し経営を圧迫
 -インスツルが純一氏に対して1億円の訴訟を起こす
 -礼次郎氏の恣意的な取締役の任命
 -HDには新しく真二氏が就任
→服部家はこれ以上経営をしてはいけない一族である。
よって、
・創業家の分離(株の売却)
・和光等の負債部門の売却
・セイコーエプソンと統合して再出発

【反省・まとめ】
セイコーエプソンって存在を知らなかった…。
ただ方向性は極めて一致しているように思えた。が、エプソンを一緒になるというオプションは情報を取れていなかったので導き出せずじまい(大前案と同じである必要はないが)。
情報は大切だと改めて再認識した。

1 件のコメント:

mushimaru さんのコメント...

実際はこんか感じで改革しないからいつまでも和光は存在してると思うよ~。
和光は真っ赤っ赤でした。