2010年7月6日火曜日

ケーススタディー(新希望集団)

先週のケーススタディー。漸くペースが戻ってきた。
今回は、中国の企業が対象でHPも中国語なので、台湾に在住中のクラスの人に決算データ等をまとめてもらった。
少しお題に引っ張られる形になって、事業のリスクなどを考えていなかった。

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【課題】
あなたが新希望の劉永好董事長とすればこれから先のグローバル企業への仲間入りをどのようにして図るか?

【回答】
ブランド力(=品質)を向上させるために、株式上場(香港H株)を行い外資の資本注入を行い、日本などの品質が担保されている企業などを探し提携を結ぶ。
時期が来たらCSR活動にも着手する。

【理由】
■現状分析
新希望集団は、中国にある非上場グループでありアグリビジネスで成長を遂げてきた。現在は、飼料、肉食、乳製品、化学工業、不動産、金融など幅広く事業を展開し、傘下にある民生銀行、四川新希望農業、ST宝碩(プラスチック事業)は上場している。
しかしながら、あくまで売上の約60%は飼料、30%が肉食とそのほとんどがアグリビジネスである。
(化学、不動産などは利益率が高く魅力的ともいえる)

新希望集団はFortune500のFoodProduct部門で5位に入るなど時価総額等ではグローバル企業に引けを取らないが、ブランド力はとても弱く、これは中国企業全体の構造的問題とも言える。
特にアグリビジネスにおいてのブランドは“品質”と考えられる為この部分は致命的ともいえる。

■方策
グローバル企業の仲間入りするには、
 ①ブランド力の構築
 ②CSR活動の展開
が必要と考えられる。

①においては中国企業単独で築くのは現実的に不可能であると考えるため、外資の力を借りる必要がある。よって、新希望集団の多角化経営の内、アグリビジネスのみをまとめて別会社とし、株式上場を目指す。上海、深川、香港と株式市場があるが、今回は外資の資本を注入することを目的としている為、香港市場のH株に上場を目指す。
そして、日本など品質の担保されている企業と提携を結ぶことでブランド力の構築を行いたい。

②においては、①に付随するがたとえばアフリカの貧困地での農業経営等についてサポート(飼料であるため機会は少ないかもしれないが)が出来ないか模索する。CSR活動を通じてグローバル企業の仲間入りをしたい。

まずは、①を実施し徐々に②を目指す方向で行きたい。
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【大前解説】
・海外ではスミスフィールド(2兆円)、タイソン(1兆円)が似たような収益構造。
・新希望が飼料の生産量No.3、タイソンは6位。
・新希望の海外戦略はベトナム、タイとか小規模なもので、三井と提携しているけど、まだまだ。
■こっから重要
・怖いのは病気。口蹄疫とか。かなりリスクが高い。鳥インフルも頻発している。
・つまり、中国国内だけに留まっていることはリスクがとても高い。
 ⇒世界を見ると、オーストラリア、北米、ロシア、ウクライナは口蹄疫なし。
 ⇒鳥インルフでは、オーストラリア、ロシア、南米で起きていない。
・スミスフィールドなどはこの辺りを取り入れて、世界展開している。
よって、これらの口蹄疫、鳥インフルエンザが発生しない国に対してグローバル展開してリスクヘッジをすることが大切。

■ターゲット国
・オーストラリア、カナダ、ブラジル、ロシアなど。
 ・北米 ⇒面積が広くライバル多いので除外
 ・インド⇒面倒なことが多いので除外
(分散するメリット)
・これらの国で調達出来るようになればシーズンも逆さまなので、使いまわし出来る。
・今は、ブラジルは競争は激化しているけれど、ロシア、ウクライナ、オーストラリアなどは誰も手を付けていないから良い。

■まとめ
・中国だけにしないで、アジアだけでちょろちょろしないで、こういうところで近代農法を勉強する。
・進出国が異なるのでスミスフィールド、タイソンとかとは区別出来る。
・分散しておけばいずれ来る中国の食糧不足に対応出来る。

【まとめ、反省】
お題に引っ張られ過ぎ。もっと俯瞰的に捉える。一歩下がって全体を見渡してから取り組む。この辺りは、普段から細かい質問をされても「要は何か?」という点を意識することで改善できるように思う。
「要は何か?」は何度も何度も1年時に言われてたけど、最近は少し抜けていた。

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