2010年7月24日土曜日

ケーススタディー(イオン)

先々週のケーススタディー。
体調崩し中で更新途絶えました・・・。

イオン再びですが、結構議論は白熱したかな~。

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【回答】
あなたがイオンの岡田元也社長とすれば仏教界からの反発も強い「お葬式」ビジネスに参入した以上、この事業をどのように成長させてゆくか?

【回答】
イオンカード窓口と共に「ライフスタイル相談窓口」を開設
ライフネットと提携して保険提案を加える

*集客力を生かして店舗内で事業を実施。あくまで本業は小売であることを間違えない

【理由】
イオンは小売業(JUSCOとか)が事業の中心であり、顧客第一主義、お値打ち価格での提供を掲げ、全国展開し、イオンカードは1700万枚(会員数)配布している。
このような背景の中、昨年(2009年)から価格が不透明であった葬儀ビジネスに参入し、明瞭会計かつお布施などの目安価格を提示し、仏教界から反発を受けている(*1)。

新規参入明瞭会計を行ったのはライフネットと同様であり、今後の伸長は大きく考えられるが、大企業であり、全国に既に店舗を構えているイオンだからこそ出来るサービスを展開し、事業拡大を目指したい。

■現状
・生前に葬儀屋を指定しているケースは4割であり徐々に増えつつある(生前予約は米国から始まったシステム)(*2)。景気後退から今後も生前予約は増加傾向にあると考えられる。
・一方、葬儀屋を決定するまでの時間はわずかであるため、マインドシェア(知名度等)が重要になる。
・イオン(JUSCOなど)の基本ターゲット顧客は、40代女性であり70代の家族がいることが予想出来る(出産平均年齢は25~35歳のため(*3))ため、生前予約や葬儀屋の認知を高めてもらうには必要がある。

よって、従来ある店舗内に葬儀ビジネスを行える区画を構える価値はある。
しかしながら、既存のイオンのイメージからすると葬儀ビジネスを前面に出すわけにはいかない。

■対策
・イオンカードの窓口にて「ライフスタイル相談窓口」などを開設し、老後の過ごし方、高齢者との付き合い方、アクティブシニアタウンなど高齢者の生活を支援する。
・また万が一の時に備えて、低価格である保険(ライフネットと提携)や生前予約を提案する。
・生前予約が取れなくても、万が一の時のマインドシェアを高めることを期待できる。

■ライフネットとの提携について
ライフネットの契約者は2万人を超え破竹の勢いである。既存勢力がある中価格提示をした背景は類似し、お客様にお値打ち価格を示すという方向性は同様である。また、ライフネットは完全ネット(現在はCM実施)販売であるため、イオンのような全国に展開している店舗と提携できるのは悪い話ではない。イオンとしても、葬儀だけでなく生命保険を加えることでオブラートに包め、かつライフネットの保険加盟社2万人も顧客に取り込める(*4)。


以上のような方向で集客力を生かした新規に参入した葬儀ビジネスを進め、かつ本業である小売業の売上増加に繋がるよう店舗開発を行いたい。

【参考】
(*1) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100702-00000505-san-soci
(*2) http://omihanaya.com/%E8%91%AC%E5%84%80%E7%94%9F%E5%89%8D%E4%BA%88%E7%B4%84%E6%99%AE%E5%8F%8A%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%B5%8C%E7%B7%AF%E3%81%A8%E7%95%99%E6%84%8F%E7%82%B9
(*3) http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1131472681
(*4) http://www.lifenet-seimei.co.jp/profile/disclosure/index.html
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【大前解説】
■イオンのビジネスモデル
・400の特約店契約を結んだ葬儀屋への紹介・仲介ビジネス
・各宗派の寺院を紹介する
・葬儀のコンシュルジュサービスは都心部のみ
・カードを持っている人のみ対象
・見積価格を提示
・全国24時間コールセンター
・イオンは紹介料をもらう。香典返し等の売上。カード手数料料。で儲けている。
・葬儀代は顧客がカードを使って特約店に払うので関与なし。

→しかしながら、問題はお布施の価格を言ってしまったもんだから寺院が反発している。

■死に至る前後の市場は大きい。
→老後の生活(趣味など)~死後の7回忌まで含めると市場は4兆円
→葬儀ビジネスだけだと1兆円(今回のターゲットはここだけ)
→日本の唯一の成長産業とも言えるがやり方間違えると祟りが起きるぞ!


■葬儀屋の現状
・葬儀屋の立場の方が強いため、寺院に支払っているお布施等々の3~7割はキックバックで葬儀屋に行っている。
→つまり寺院の出張サービスのようなもの。葬儀屋はピンはねして儲けている。


そこにメスを入れてHPにお布施の目安価格を提示したら、
→「お布施は寄付であり、価格のように扱うのは非常識だ!」という反発を受けている。

よって、どうやって仏教側と軋轢を回避するか?
・オークション形式で価格決定には関与しない
→イオンは行うサービス内容を利用者に提示して、葬儀屋と寺院から入札制度取る(特約店方式は取らない)。誰でも参加できるようにする。イオンは顧客に品質保証だけを行う。
・イオンがカバーすべき市場(老後~7回忌まで)を広げる。

■その他、私ならこうやる。
・これば全部サイバーで出来るはずだから…
・サイバー葬儀
→ネットで中継してお祈りする。どうしてもいけない人はいるはず。香典もワンクリックで支払える。
・サイバー墓参り
→誰かに行ってもらって携帯画面でリアル中継をしてもらう。

⇒お通夜、葬儀と両方いけない(または片方は行けない)けど、お祈りだけはしたい、という人は必ずいる。香典も支払いたい人も沢山いる。墓参りも行きたいけど行けないこともある。こういうことを是非やってほしい。

【まとめ】
うーん。オークション形式は思いつかなかった。とその前に入札制にするんだからかなりの利用者がいないと寺院などは入札しないのではないか、と考えたが、今回の問題を解決するための方法としては納得ではある。

最初聞いたときはサイバー葬儀はちょっと寂しいよな。。と思ったけど、良く考えれば親族はしっかり葬儀をやっている訳だし、丸投げしている訳でもない。遠方の人でどうしても行けない人はいる(これからはグローバル社会で誰がどこに住んでいるのか分からないし)から、こういうサービスがあっても良いのではないかと思った。
サイバー墓参りなども同様にどうしても行けないことはあるけど、一体誰に行ってもらうんだ?という余計な悩みもなくなるので代行サービスは有りなんじゃないかな、と思ってきた。

ちなみにこのビジネスモデルは大前さんは10年前に考えてたとか。『サラリーマン「再起動」マニュアル』に書いてあったけど、いまいちピンと来ていなかったので良く理解が深まった。

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