2010年8月10日火曜日

『出世力』

BBTのプレゼントでたまたま当たった『出世力』。最近は、めっきり上司の評価に対して興味が無くなっていたけど、折角なので読んでみたが、改めて“評価”“出世”というものを考えるきっかけになったかな。

内容として、特に印象深かったものを上げておこうと思う。

■結果=成果ではない。

成果=結果+第三者の評価、であるから、いくら自分が出した結果に対してアピールしても、人事評価が成果主義であれば全くと言っていいほど役に立たない。第三者(=上司)の評価がそこに加わって“成果”になるからだ。

そこで出てくる輩が「ゴマすり族」。確かに大した結果でなくても、上司の評価が加わって成果になるから、出世していく。しかしながら、あるポジション(職制など)に行くと実力が無いので結果が出せない。そしてあえなく降格していく。


■周りは気にせず気楽に働く、なんていうことは出来ない。

出世すればするほど自由が手に入る。自分の好きなように仕事を進めることが出来る。
であるから、評価を受けず出世をしないということは常に誰かの監視下にあり、締め付けられていることに相違ない。
派遣社員に関しても、成果を出せば会社から喜んで延長してもらえ、中には正社員となることもある(望む望まないは別にして)。成果が無ければ、延長はない。不景気になれば真っ先に切られるのが派遣者にんであることに変わりはない。正社員は縛られるから嫌だ、というのもある意味正しいが、職がなくなって困るのは自分自身である。

評価を気にせず気楽に働くなんてことは現実的ではない。



■議論が先か、行動が先か、⇒行動あるのみ

賛否両論あるが、結局PDCAサイクルを“回し続ける”ことが成長に繋がるわけだから、議論と行動はどっちが先でも良い。はっきり言えることは行動しないと、次の議論が出来ないということ。だったら行動してしまえばいい。


■成長が感じられないと評価を受けられない

新しい仕事について慣れてくるとそれがルーチンになってくる。以前と比べれば自分が成長した証である。しかしながら、上司はそう思わない。まだルーチンワークをこなしているだけ、という評価を下す。だから、ルーチンに埋没してはならない。常に新しいことをして“変化”や“成長”を周囲(=上司)に示していかないと、評価は受けられない。延びしろがなさそうな人間を出世させることはあり得ない。



■上司の指示の悪さを嘆くのは無意味である

上司は思いつきで指示をするもの。その時にどう対応するか。

1)おかしな指示は受け流しつつ、表面は対立を避ける
2)忠実に実行して深みにはまる
3)喧嘩してサボタージュする

正解は1)である。
誤った指示に従うのは組織にとってもマイナス以外何物でもない。それが忠実な部下である、と考えるのはおかしい。組織にマイナスなんだから共倒れになる。かといって、喧嘩するのは愚の骨頂。上司に反抗しているというレッテルを張られるだけ。催促されるまで指示を塩漬けにしてしまうくらいで丁度いい。

これは決してネガティブな対策ではない。無能な上司との付き合い方もその人間の能力だ。視点を変えて対応することと同じである。あんな上司の下でまともに働いて大したもんだ、という更なる第三者の評価を受けるきっかけにもなる。


こんなところかなと思う。
もちろん人によって印象は異なると思うけど、結果≠成果というのは、とても納得のいく内容で、その他もロジックで説明している感じが頭に入りやすく、読みやすかった。

実際やっていることは何にも変わっていないのに上司が変わったとたん評価が上がる人と、下がる人がいる。こんなもんかなと思う。もちろん、一方でいつも高い人もいる。

ただ、結局、自分でコントロールできるところは“結果を出す”ということだけだと思うので、客観的に周りを見て、客観的に仕事ややるべきことを見極めて取り組むことに集中すればいいんだということが良く分かった。

そんな思いにさせる本でした。

0 件のコメント: