2009年8月25日火曜日

フィンランドすごいよ①。(教育編)

勝手にいつかフィンランドに住むもんだと思っていた(全く根拠がない)ので目に付いたフィンランド関係の本(『フィンランド 豊かさのメソッド』著:堀内都喜子)を読んでみた。ん~、すごいね。魅力的な国です。
ただフィンランドを調べてかじった現状としては住むのはどうなんだろうか…と勝手に要検討事項になりました。
よく教育と福祉が素晴らしいと言われるけど、具体的に何が優れていてその理由に関しては不明だったのでとても勉強になる1冊でした。

ということで忘れないようにかんた~んに纏めておこうと思う。

【教育】
これは日本とは全然違う。

とりあえず、フィンランドは子供の頃から考える力を身につけるように教育されているからPISA2006(子供の学力調査)や国際競争力ランキングで4年連続1位になっていた(2001年~2004年)とされているけど、どうやら違うみたい。正確に言うと、その通りかもしれないけれどその背景まで知ると違うと言わざるを得ない。

決定的に違うのは大学・大学院の高等教育の機関のあり方と思う。
偏差値がないとかそういう概念の問題ではなくて、純粋に学校間での学力の差がない。日本のように東大を頂点としたピラミッドの構造ではない。なので何処の大学に入っていても関係ないということになる。それ故、一人暮らしをするとか地方から都心に出る(逆もしかり)とかがない。皆家から最も近い大学にいくことになる(これが家庭での教育が進んでいる理由の一つに繋がると思う)。

こういった背景なので、何処の大学に行ったか?よりも何を学んだか?が重要になってくる。かなり自然な流れだ。そして大学・大学院は一旦社会人になった人が入学するケースも多いので卒業後は即戦力になるように教育がなされる。なので、繰り返しになるけど、何を学んだか、が本当に大切。そういうことだから資格試験が基本的にない。なぜならそれ相応の教育を大学・大学院で受けているのだから必要ないということだ。とても理に叶っている。
日本の教育とは背景や構造が全然違うから、「日本教育は受験の詰め込みでなくてフィンランドのように考える力を身につけるように…」「ゆとり教育ではなくて考えさせる訓練を…」という議論は全く的を得ていないということが良くわかる。

何を学んだかが重視されていて、大学・大学院を卒業したものは即戦力かつ就職に有利になるからある意味学歴社会ではあるけれど、学校は何処でも同じなので派閥みたいなものは基本存在しない。なので皆尊敬しあうことが出来ると思う。
結局学歴社会で、大学に進学したくても経済的に進学できない人はどうなるんだという考えもあるが、全く問題ない。なぜなら学費は全て無料だからだ。ほぼ全て税金で賄われている。国として若い年代の人材教育には力を入れていることになる(これは留学生も該当することがある)。

これに繋がるように教師は、最も尊敬される憧れの職種に入る。生半可な気持ちでは教師になれない。入学も難しく卒業も難しい。途中で諦める人も出てくる。教師は免許(?)が必要(もしかしたら採用試験だったかな)なので、留年している人も沢山いる。それくらい人気でレベルが高い。このような志も高く、無料で勉強させて頂いている方が初等教育の教師になるのだから、良い人材が育ちそうだ。
初等教育では、落ちこぼれを作らない教育が進められる。仮に進級させても付いていけないと判断したら、教師同士、親が真剣に話し合って別途個別の指導をすることもある。大量生産ではなくて、OnetoOneマーケティングのように一対一で対応して教育を行っている。なので、PISAで1位という成果が出るのだろう。
最終的に何処の大学に行くか?ではなくて、何を学びたいのか?あるいは学びたくないのか?と決めるのは自分自身になるので自然と考える力が身につくし、そういう教育を行わないと子供たちが困ることになるので、教師も親も教育に熱心になるのだと思う。

こうみるとそれは若い年代から優秀な人材が働いているのだろうと思うけれど、実際はそうでもない。大学・大学院は一旦社会に出てからやりたい勉強をじっくり時間を掛けて(時には10年とか)勉強しているので、最年少で!とかそういう競争は国内にはない様子。とてものんびりしていて、フィンランド人は国際競争力ランキング1位であることにはあまり関心がないようで、「私たちは普通のことをしているだけ。」と言っているみたい。
優れた教育で是非受けてみたいけれど、日本人の感覚にはない時間感覚だし、教育を受けて日本に戻ってきたら現実逃避しそうだから難しい。


教育というものは余程信念がないと務まらないと感じた。サラリーマン的な教師であればいくらでも務まるだろうが…。
ちなみに自分自身は育とうと言う意志のある人間には教育をすることが出来るけど、そうじゃないやる気のない人を育てるほど教育には熱心ではないみたい(涙)。ただ、アフリカの難民キャンプとかの支援とか、人材を教育して難民を移動させるとかには関心があるらしい。
もしかしたら、日本にいるに対しては
「この仕事は向いてなさそうだし他の仕事したほうが会社も本人にも良いだろうな。。」とか
「会社をクビになっても、のたれ死んだりしないし。」と思ってしまっているのかもしれない。
まぁ、これから変わるのかもしれないけど、本を読んだり他の国、人、業界etcを知ることは現時点の自分を知ることにもなるんだなぁ~と思ってみた。

次は福祉について纏めてみよう。

0 件のコメント: