2010年3月18日木曜日

『会社を変える社員はどこにいるのか』

BBTの教授でもあり武田に成果主義を導入している川上真史の著書である『会社を変える社員はどこにいるか』を読んだ。
組織・人事については興味があるし、何より読みやすい本なので一気に2日くらいで読み終えた。

日本は人材不況であり、それを打破するにはコンピテンシーを上げることだ!といった趣旨。
コンピテンシーには5段階ある。

■レベル1:言われたことしかしない、追い込まれてからしかしないレベル
■レベル2:言われなくても行動するものの、当たり前のことしかしない。与えられた役割は遂行できるレベル
■レベル3:複数のやり方の中から、最良の判断を行い実行できる。既存の変革は実行できるレベル
■レベル4:独自の工夫を加えた行動をとり、そのなかで状況を変えていく。新しい対象領域を創造できるレベル
■レベル5:今ある状況とは別の新しい状況を独自の作ってしまう。新しいビジネスモデルを創造できるレベル
*レベル1~3は状況従属行動、レベル4、5が状況変容行動に分けられる。

ここで考えると、普段の行動の大半はレベル2がほとんどで、ちょっと頭を使いだすとレベル3が発揮されているかなと感じた。ちょっと悲しくなる。
が、まずはレベル4を目指そう!と言っているものの、全ての行動がレベル4である必要はない。どんな優れた人でも大半の行動はレベル2らしい。
ただ、ここぞという時にレベル4を発揮することができ、その中でたまにレベル5を果たせるケースがあるとのこと。インタビューをした結果、1000人に50人くらい(約5%)しかレベル4を発揮できる人はいないらしい。

ちなみにうちの会社は幹部社員になるときにコンピテンシー面接を行って、ここ2年間の行動の中で1回でもレベル4の行動を発揮したと確認された人が幹部社員に昇格している。
けど、国内の営業本部に2700人いるから幹部社員は135人ってことになるけれど実際は200名以上はいるだろうから、社内の評価ってのは至って曖昧なんだなと感じた次第。

それは置いておいて、このレベル4は職制や年齢、経験などは関係なく、新人なら新人のレベル4に値する行動があるので、常にレベル4を目指して行動が出来るように心がけることが大切だそうだ。

ちなみに居心地が良いのがレベル3らしい。
なぜなら、真新しいことはしないので怒られることはなく、そうかといっても最適な方法を取っているので上司から認められやすい。つまり安定感があり、失敗しない優等生がレベル3ということになる。今までこのレベル3になるために育成されているケースが多いようだ。

レベル4の行動などを取ると変わり者や輪を見だす人間などのレッテルが張られるため皆レベル3に留まって、結局イノベーションの起こせない人間が生み出されている。

この辺りを考えると、『成功ルールが変わる!』にも書いてあるけど、誰かの模倣でなくて自分である意味「非常識」に考えて行動する、ということが求められるということだろう。

モラルはしっかり守った上でちょっと変わってるくらいでないとレベル4には届かないな。
ちなみにレベル5は、レベル4を繰り返し発揮し続けている間に知らぬ間に出来ている状態だそうで、レベル5を目指してパラダイムシフトを考えると、とって付けたようなパラダイムになるらしく、全く実現可能性がないものが生まれるらしい。

まずはレベル4である。

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