2009年6月8日月曜日

稲盛和夫の実学~経営と会計~


現在アカウンティングの講義を受講中であり、参考図書である『稲盛和夫の実学 経営と会計』を読んだ。これは一言で言うと、「実学」ではなくて「稲盛和夫の哲学」のように思える。
会計を通じた内容になっているが、稲盛和夫の経営に対する哲学を感じることが出来る書籍であると思う。

27歳で全くの会計の素人が立ち上げた京セラにおける、創業から現在に至るまでの悪戦苦闘が会計を通じて書かれている。自分も全くの素人であるため、読んでいてとてもおもしろいし、会計とは何か?といった点が大きく理解できたように思える。

利益は一体どこにいった?というところから始まって、経理担当から理論を説明されるが、実際の経営に活かせないと判断した理論は完全に無視しているところがすごい。またこれが会計を理解する上で重要な点であると思う。
「借金は早く返す」とか「現金をしっかり回収する」とか徹底している。 負債を活用した「節税効果」とか、「原価計算」とか完全に無視している。 健全な経営とは、こういうことを言うのだろうなと思った。

学んで良かったと思えることが、本日会社で起きた。まさにリアルタイム。

とある業者から「売掛金に関する確認書」なるものが送られてきた。
担当は自分であったので、精算すべく内容を確認すると以下であった。

「当社は先月決算を向かえましたが、御社からの売掛金が入金されておりません。振込み予定日及び同封している確認書に記載事項を記載の上、捺印し送付ください」

要はあちらの売掛金の入金がされておらず辻褄が合わないし、外部に報告する決算書にも明記しなければならないので、その証明書を欲しいというもの。
決算日を知らされておらず、入金に関しての注意事項等を伝えていないあちら側にも大きなマイナス面はあるが、うちとしても対外的に印象を悪くするわけにも行かないし、しっかり処理するべきと判断。
当然、この捺印というものは「社印」である必要があると感じた。

が、経理の方、課長クラスの人も
「良いんじゃない?君の印鑑で。早く支払えってことだよ。」
と、全くこの状況に気づいていない。
「まぁ、それに従うか。」と思いつつも、問題が大きくなってからでは大変だし、MBAでアカウンティングを学ぶ身としては会社に損失は未然に防ぐべしと、所属上長にお願いし「社印」を押してもらった。
あちら側の経理担当にも確認のため連絡を行ったが当然正式書類になるため「社印」を求められた。
違和感から始まった最終的な判断は間違っていなかったようである。

学んだことを早速実践で使えたわけだが、これがもし担当が自分でなかったらどうなっていただろうと考えると恐ろしい・・・。てかうちの会社大丈夫か(!?) アカウンティングに加えてファイナンスは、どの分野であってもビジネスを行う人間には必須であると感じた。自分が社長とすると、知らない人間には危なくて仕事を任せられない。 今後も自分の感じる違和感は大切にして、良い意味で会社に染まらない人間でありたいと思う。

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