2010年2月22日月曜日

ケーススタディー(Google)

更新が滞ってました・・・。
2週間かけてのケーススタディー。

中々よい感じで議論&回答が出せたと思う。議論に深みが出たのは、「現地CEOから学ぶ経営の勘所(中国編)」を選択していて(クラスではしていない人が多い)、中国で事業をする難しさを学んでいたので深く考えられた。

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【課題】
あなたがGOOGLEのERIC SCHMIDTとすれば、中国問題をどのように解決するか?

【回答】
これ以上米中間の問題に首を突っ込まない。
サイバー攻撃に対するシステム強化に集中して中国事業を継続する。

【理由】
中国は13万人の人口であり今後ネットの普及率を考えると巨大な市場であり、「世界中の情報を整理する」という目標を持っているGoogleとすれば外すことの出来ない市場である。
そこでGoogleは2006年に谷歌(Google.cn)として中国市場に参入した。しかしながら、中国政府の情報漏えいなどの規制から「検閲」を余儀なくされており、またGoogleとしても個人情報の観点からアカウントを持たせず、Gmailやブロガーなど登録が必要なもののサービスはしていない。
このような状況でGoogleは事業展開をしており、シェア70%近く取っている百度に続いてシェア20%~30%で第2位となっている。

今回は、中国が中国人人権活動家のGmailのアカウントに対してサイバーアタックをしたこと(その他シリコンバレーにオフィスを構える他業界の会社も受けている)をきっかけが所謂“中国問題”が引き起こされている。

その後、Googleとしてはサイバー攻撃を受けたことを公表し、「検閲」に対して快く思っていない(Don't be evilが企業の理念)創業者のセルゲイ・ブリン氏がスタッフに対して「中国からの撤退は辞さない」との発言。これがうわさを引き起こし、最終的には米国政府(クリントン)の発言が米中問題として取り立たされ事件が大きくなってしまっている。
Googleは中国‐Googleの問題でなく、中国‐米国の問題に巻き込まれてしまい、撤退などが独り歩きしている感がある。


同じ創業者のラリーペイジは「進出する国家の政治は変えられない」との意見であり、セルゲイの反対意見もありながら、最終的にはGoogleとして「検閲」や「規制」があることを承知の上で進出している。
つまりエリックシュミットとしては、今後のGoogleの繁栄や目標を考えると中国撤退は考えられない。

Googleが出来ることはサイバー攻撃に対する問題を解決することだけである。
「出所を突き止め中国に認めさせる」というやり方は中国人の“面子”からは暴動を引き起こすだけである為得策とは言えない。
よって、サイバー攻撃から守るためのシステムを更に社内で強化することに集中し、米中間の問題を解決するためにGoogleが出来ることは少なく、余計な問題を抱えてしまうことになるので、これ以上首を突っ込まず、社内の統制を取ることに集中すべきである。

セルゲイとラリーで意見が分かれているが、CEOはエリックシュミットであるので二人の面子を潰さずに最後は自分で決めればよい。
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【大前解説】
*今回は扱っているデータや着眼点はほぼ同じであったと感じた。
しかしながら、一つの事実から読み取る内容が違っていたと思う。

・米中政府間のネットに関する価値観が異なる。
(中国) 
 Google騒動による国内市場のイメージ悪化は避けたい
 Googleが撤退すると政府への不信感が高まってしまう
 もっとも恐れるのはそれによる中国国民の政府批判
 ちなみにGoogleの主張が正しいと思っている(しかし面子がある)

(米国)
 「自由」「民主主義」という建前は堅持したい
 外交問題は避けたい
 検閲協力などは避けたい
 中国は今後成長するので魅力的な市場である

・つまり、価値観は異なっても利害関係はおおむね一緒!!
よって
・政府間で騒がずに、表向きはこのままでも裏では「中国に協力しますよ」と近づきすっと中国市場に入り込んで、政府と対等に話せるIT企業になる。

【反省・今後】
今回は「撤退すべし」というクラスの方が多かったけど、魅力的な市場で面子の問題だけだから撤退はしない。政府間に巻き込まれると話がおかしくなるから、騒がずに社内統制を取る。という結論を出したが、逆に利用して中国政府と対等に話し合える企業になるというオプションもあるんだ~と勉強になった。
利害関係というドロドロした部分も勉強になった。

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