2010年4月8日木曜日

ケーススタディー(ルネサスエレクトロニクス)

あまり議論に参加できていない感じでやはり半導体業界は得意でないというか苦手意識がある気がした。それで更新も遅れてしまう有様で、これは2週間前のもの。

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【課題】
あなたが4月1日に発足するルネサスエレクトロニクスの赤尾泰社長とすれば、赤字会社を二つくっつけただけ、と言われないで、名実ともに世界のトップ企業として成長していくためには、まず何をするか?

【回答】
経営陣を入れ替えて、外部の人材を起用した「統合チーム」を作り事業の方向性を明確に示す。
・マイコン市場の強みを生かすための統合
・海外展開出来る為の組織体制
など

【理由】
(背景)
半導体業界は世界で約20兆円、国内4兆円の規模があり世界全体では緩やかではあるが右肩上がりで年率成長すると予想されているが、日本は今後マイナス成長である。グローバル展開が必要で競争が激化すると予想出来る。

そのような中、リーマンショック後大幅な赤字を計上している日立、三菱によって出来たルネサステクノロジーと、NECエレクトロニクスが統合し、ルネサスエレクトロニクスとして発足しようとしている。
ただ今現在では、売上の大半が国内市場であり、なおかつ双方を合わせた赤字は2800億円(2009年)の赤字を計上するため「赤字会社をくっつけただけ」と言われてもおかしくない。
世界と戦えるような企業に変える必要がある。

(現状と方向性)
ルネサスエレクトロニクスはマイコン事業に強みを持っており、統合後はシェア30%で圧倒的に世界1位となる。また前段階のルネサステクノロジー、NECエレクトロニクス単独でも1位、3位であるため業界のけん引役であり技術面では問題ないと考えられる。
よってこれらの技術などの強みを生かして事業として成立させるための経営が必要である。

(その為に行うべきこと)
統合に関してはPMI等様々な諸問題が生じるため、明確なビジョンを示し「統合チーム(両社及び外部から人選)」を作り方向性を決めたら、トップダウンで一気に行う必要がある。
しかしながら、現在の経営陣は両社の元経営陣がたすき掛けで人事を行っているだけで明確な方向性を示すことは困難であると考えられる(あくまで既存路線か、カンナ削りのようなリストラを行うなど)。よって、経営陣を大幅に入れ替え、また外部の人材を起用した「統合チーム」を作成し、今後の事業の進め方を検討する必要がある。

(方向性)
世界と戦うためには世界展開は必須と考える。また利益を出すために強みであるマイコン市場にて収益性を確保する。
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【大前解説】
・日立、三菱、NECの3社の半導体部門を統合し、マイコン関係では世界1のシェアになり半導体では世界ランキング5位になる(単純合算)。
・半導体の世界市場は年々伸びているが、ルネサス、NECエレは売上が低迷中。
・理由は、地域別に世界市場を見るとアジアが大きく伸長し、先進国は横ばいの中、ルネサス、NECエレは国内偏重でありながら売上が落ち、アジアシフトへ対応が出来ていないため。
・つまり、国内では他の半導体(アジアメーカーとか)に取られ、アジア市場では進出不足で全く市場の伸長率についていけていない。
・それで、ルネサス、NECエレともに赤字(しかも慢性的になりつつある)になった。

こっからがすごい(コンサルっぽい)
・損益分岐点を試算すると、NECエレは6900億、ルネサスは9482億となり、現在の売上をプロットし変動費を一定とすると固定費を2000億円削減する必要がある。
・しかしながら、NECエレの費用構造を見ると固定費の削減は困難(ルネサスは非上場であるので不明)。
・一方で、同規模の米テキサスインスツルメンツと比較すると設備の効率が悪い。(無駄な向上が多い)
よって
・時間軸を区切って社内競争をさせ敗者は淘汰する(リストラ実行)
・その為に自由に仕事が出来るように親会社3社に非上場化し3年間は一任してもらえるように取り計らう。

【反省】
あまり議論に参加できていなかったので解説を聞いても理解が薄かった。
改めて纏めてみると、考え方のステップが理解出来た。特にリストラをするにあたっての必要なコストの算出とか。
議論には積極的に参加が必要。食らいつくことが大切と再度感じた。

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