2009年11月9日月曜日

ケーススタディー(アスクル)

ちゃんと議論して回答したけど、今回は難しいテーマだった・・。
中々、ディスカッションしてもこれといった解決案が出ないで、やれ中国に進出しろだの、やれ「アスクル」でなく「スグクル」「イマアル」にしろだの根本的な解決になりそうなものはなかった。
そんな中での大前解説は顧客の心理をよく理解していると感動した。
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【課題】
あなたがアスクルの岩田彰一郎社長とすれば業績が横這いになった間のある現状をどうやって突破するか?

【回答】
従来のサービスに加えて、
SOLOELモデルのコンサル業務を強化し、医療施設(病院、診療所、社会福祉施設など)を対象に広げて事業を行う。


【理由】
アスクルは独自のeコマースを用いた流通モデルを確立し(*1)、オフィス事務用品(PC、OA、生活、事務用品など)を中心に業績を向上させてきた。しかしながら、昨今の景気後退によりオフィスの事務用品(利益率の高い家具など)の買い替え、買い増し需要が減少し、業績が低迷により利益が減少してきた(*2)(*3)。
よって現状のままではジリ貧になるため、新たな取り組みとして、SOLOEL(購買代理人として事務用品をそろえる)を立ち上げ取り組んでいる(*4)。
SOLOELは間接材の購買戦略やサポートをするサービスが付いているため、コンサルタントの要素を持った位置づけと考えられる。

従来よりアスクルは、大企業から中小企業を対象に事務用品の販売を手掛けてきており、今回のSOLOELも同対象を顧客と想定している為、市場自体は低迷しているオフィス事務用品では業績回復にはもう一手足りないと考えられる。

よって新たな顧客をターゲットとして市場の拡大を狙いたい。
現在、高齢化に伴い、病院・診療所・老人ホーム・介護施設(特に後者の二つ)などが重要になってきており、またこれらの施設の多くの経営者は医師(もしくは医療従事者)であることが多く(*5)、経営に関しては素人であることが多い。よって間接材の改革は望める可能性があり、これらの施設を対象にSOLOELを利用し、特にコンサルの要素を強めた事業を行えば、事務用品に関しては全てアスクルが独占できる可能性がある。
*病院+診療所=約17万5千施設(*6)
*社会福祉施設数=約6万施設数(*7)

昨今はおむつなどの医療品の販売も手掛けているため、これらも同時に販売出来れば業績回復の追い風になれると考える(*8)。


【根拠】
(*1) http://www.ciojp.com/contents/?id=00001098;t=28
(*2) http://www.kabutocho.net/news/livenews/news_detail.php?id=147034
(*3) http://ir.askul.co.jp/
(*4) http://www.soloel.com/system.html
(*5) http://www.houko.com/00/01/S23/205.HTM#s6 (医療法第46条の3)
(*6) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m09/is0902.html
(*7) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/fukushi/07/kekka1-1.html
(*8) http://www.tscc.tohoku-gakuin.ac.jp/~mokudai/Askul_G3.pdf
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【大前解説】
・アスクルを取り上げるのは3年半ぶり
・今までの成功は時代背景があったもので、これからはこのままでは衰退する。
・なので、新事業は色々やっているけど、これだけではイマイチ。。
・特徴としては、中小零細が得意。個人はいまいち。大企業は苦手
・最近、アマゾンがオフィス用品に入ってきた。競争激化。
・両者を比較してみると、アマゾンは土日関係なくいつ頼んでも即日配達可、+ポイントがある。アスクルと差がある。

●少し顧客に視点を移す。
・日本人の染色体にはポイントが入っている。電機やもポイントを持っている方が次行く。ただで何かをもらえることがうれしい。
・ちなみに楽天、アマゾン、ヤフーは1%でポイント付けている。
 →実際は1%なんて小さなもので対して痛くない。しかし、タダで買えた、ラッキーというお得感を与えていることが日本人には良いらしい。皆これで満足してポイントを貯めている。
・ポイントを導入すると、会員を組織化出来る。
・マイレージなども会社のお金だけど、個人にポイントをためて貰っている。
・楽天トラベルのホテル事業は、約8割がビジネスホテルの予約。これも同じ理論。
●よって
・得意の中小企業などをターゲットにポイント制を導入して、会社のものを買うけれどポイントは懐に入るようにして、オフィス用品の販売を他社に取られないよう、またポイントが利用出来れば個人消費や他の商品にも広がっていく。
・考え方としては、中小零細など会社がしぼんでダメになっているから、会社の外に目を向ける。お客さんを法人と見ないで、個人と見る。ポイントを絡める。

【反省】
・毎週色んな企業や人物で、本人ならどうするか?といった視点がメインでコンサルタントのような感覚ももつけれど、今回はまったく「自分が消費者だったら…」という視点がなかった。
なんで、アマゾンで本を買うのか?なんで文房具屋に行かなくなったのか?なぜあのうどん屋でご飯を食べるのか?なんで、なんで…という顧客視点がなかった。
最近はポイントのカードが面倒で持ち歩かなくなったけど、つい先日まではセブンイレブンに行かなかった。理由はEdyが使えないから。それだけ。
お金使うなら、マイルに変えたい。とただ考えていたから。
この辺りの顧客心理も勉強になった。

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